2012年11月に開催された、WEB企画の「カカナルトライアスロン2nd」に投稿した↑のイラストに
花晨月夕の歩さんが、なな…なんと!この絵からイメージしたSSを書いて下さいました!!!
この絵は、企画のテーマの「休日」「おねだり」を設定したものだったのですが
もうもう、それ以上にもっともっと素敵な二人になっているんです〜〜〜〜〜(●^o^●)
憬れの歩さんに自分の絵からイメージしていただいた作品を頂戴できて
なんて私は幸せ物なんだ……!!!!
歩さん、本当にありがとうございました!!!

では…ごゆるりお楽しみ下さい^^*

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「カカシ先生!」

晴れた休日の午後、陽射しの眩しい部屋の中で、勢いのあるそんな声と共に、俺の背中に勢いよく体重がかかった。
かと言って、まだ発育途中の身体は耐え切れないほど重くもない。
むしろ、軽い方だ。
耳の辺りをふわふわした金糸が擽る。

「せっかくの休みなんだから、どっか行こうってばよ!」

俺は手元の本に目を落としたまま「ん〜」とこぼした。


俺の背中に張り付くように乗っかっているのは、教え子であり、部下でもある、うずまきナルト。
数ヶ月前から付き合っており、今ではこんな風にちょこちょこ俺の家にやって来る。
元々、俺は休日は家でまったりしているのが好きだが、ナルトは一箇所にじっとしているのを好まない。
二人で居ると、「構って構って」と言わんばかりに絡んでくるのが定法で、俺がナルトに振り回されるのはいつものパターンである。

「真昼間から、こんなふしだらな本なんか読むなってばよ」

などという人聞きの悪い言葉と共に、手元の本まで取り上げられて、俺は瞼を半分落とした。

「ふしだらって……」

「ふしだらだろ?だってホラ……『あなたの……大きい』『ああ、これが欲しいんだろ?』男はそう言うと、おもむろに女の肌に触れ……」

「ナルト」

「何かを含んだように笑った。『ええ、もう待ち切れないわ』女はなりふりかまわないといった様子で懇願し、自らの脚を開く。溢れている甘い蜜は男を待ち侘びているかのように……」

俺に抱き着いたまま耳元で文章を朗読し始めたナルトに、焦りもあって眉尻を下げる。
黙読する分には構わないが、声に出して読まれたり、読まされたりすると「ここに居るこの人はスケベですよ」と吹聴されているような気分になるのは、以前にも経験済みだ。
何か変な汗をかいてきた。
それに……背中にはナルトの体温がしっかりと伝わっているし、耳にはその息がかかっている。

「……どう見たってふしだらだろ。カカシ先生のスケベ」

面白がるように目を細め、ナルトが耳元に囁いた。

「……、どうせスケベですよ」

けど、それは本当のところ、今は亡きナルトのもう一人の師匠に向けて言って欲しいところだ。
書いたのはあの人で、俺は読んでいるだけ。
……まあ、読んでいる時点でやっぱりダメか。
けど、と接続詞をつけて、俺はナルトの手を引っ張ると、床に敷いているラグの上にその身体を押し倒し、伸しかかった。

「スケベなのは、お前もでしょ?」

冗談めかして言って、首筋に吸い付けば、そうされたナルトが楽しそうにカラカラと笑う。



――きっと、こんなシーンだけ見れば、何気ないワンシーンにしか思えないだろうが、これは俺にとっては感動的なことで、すごい変化だ。

数ヶ月前、ナルトに想いを告げたのは、俺の方からだった。
ナルトは俺に懐き、慕ってくれていたが、そういった対象には見ていなかったのだと思う。
戸惑った顔をして、「うん」と視線を揺らした。
それでも付き合いを了承してくれて一緒には居たが、最初の頃、ナルトにはぎこちなさしかなかった。
俺とたまたま手が触れると過剰反応して引っ込め、肩が触れ合うだけで離れて。

一ヶ月ほどすると、ようやく少し慣れてきたのか、笑顔で自分から「カカシ先生」と抱き着いてくるようになった。
俺はそんなナルトが可愛くて可愛くてたまらなくて、それからしばらくして初めてのキスをした。
そうすると、微妙にぎこちなさが戻ってきたが、それも時間をかけると慣れたようだった。

初めて肌を重ねたのは、一ヶ月前である。
恋愛に慣れていないナルトには様々なことを手取り足取り時間をかけて教えて慣らし、それは時折、まるで幼児にハイハイを教えるような気分にさえなったが、少しずつ覚え、俺に追い付こうとするナルトには愛しさしかなかった。


そうして今、目の前には、ともすれば俺を小悪魔よろしくで誘い、俺に押し倒されても嬉しそうに目尻を赤く染め、幸せそうにはにかむナルトが居る。

「カカシ先生」

首に腕を回され、ぎゅうと抱き着かれて「好きだってばよ」と小さく聞こえた。


――本当に、感動的なことで、すごい変化。

貴重な休日を振り回されようが、スケベとからかわれようが、全く悪い気がしないのは、どうやっても俺はこの子が可愛いからだ。

その存在が眩しすぎて……愛おしすぎて、時折、俺の目が眩みそうになっていることには、ナルトはきっと気付かないだろう。










END

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あの絵から、二人の馴れ初めまでイメージしてくださった歩さん、すごいいいいい!!!!!
ものごっつ素敵な二人になってて感動でした/////

(2013.1.24.に頂戴しました)

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